登壇者

ゲストには、選挙期間中の最中、現役の国会議員が2名ご参加してくださいました。

みんなの党・衆議院議員の青柳陽一郎先生と、維新の会・衆議院議員の田沼隆志先生です。そして、学者というお立場で2名の先生もお招きしました。

元郵政官僚で、慶応メディアデザイン研究科の菊池尚人先生、29歳の若手政治学者の、秀明大学の岩田温先生です。

ゲームの内容

早速、本題です。まずは、ゲーム全体の説明から。今回のゲームはチーム戦形式で進めました。さて、ゲームの流れはこんな感じです。チームでの対抗戦で5問。勝ち上がった3チームが、ゲストも参加するエキシビジョン・マッチに進むことが出来ます。

ゲームは、「マジョリティ当てYES・NOクイズ」です。お題として出される問いに対して、チームでYES・NOを答えます。会場の他のチームがどの答えを出すのか、そのマジョリティを予想し、当てにいくゲームです。答えは、YES・NOの他に、全チームとも答えが同じ場合の、全部一緒という回答も用意しました。

出題される問いは、全て政策の是非、特に、参院選の争点となるテーマが中心となっています。各問いへのYES・NOを参加者チームが回答したあと、ゲストも、自らの答えをYES・NOで答えます。そして、ゲストの皆さんに問いへのご意見、解説を入れて頂きました。

 

問いの一覧は以下。そして、参加者の皆さんとゲストの答えはこんな感じになりました。

パネルディスカッション内容

それでは、それぞれの問いに対して、ゲストがどんな回答をされたのか。ここからは、各問いに対してのゲストの白熱したディスカッション内容の一部をお伝えします。

Q1:「憲法を変えるには、衆議院と参議院でそれぞれ3分の2以上の賛成が必要です。この要件を定めた96条を改正して「過半数の賛成」に引き下げるべきだと思うか。」

岩田: 憲法自体は変えるべきです。憲法は哲学的に考えると、大きく二つの役割があります。一つは、その国の伝統を明文化することです。「コモン・ロー」と言いますが、昔からの慣習を成文化するものです。もう一つは、「立憲主義」という考え方に基づいた役割で権力が暴走するのを防ぐということです。独裁政治というのは、法を無視して行政が拡大することが独裁なんです。これを防ぐために、予め権力の縛りをつくっておくことが立憲主義の考え方であり、この立憲主義の考え方を放棄してはいけないから、答えはNOなんです。

ただ、残念なのは、この日本国憲法を定めたのが、日本人ではないという点。戦後、GHQから「憲法改正案を出しなさい」と言われ、日本側が作ったのですが、それらは無視され、マッカーサーが憲法を押しつけました。ですから、96条の立憲主義は変える必要はありませんが、憲法自体は変える方向で議論していくべきだというのが私の考えです。ちなみに、私は、小学校5年生から、七夕の短冊や神社の絵馬に、憲法改正以外を書いたことはありません。

青柳: まず、日本の憲法は66年間改正されていないという事実があります。96条には改正要件が規定されていますが、衆参で3分の2以上の国会勢力が必要になったことは、過去一回もありません。国会で3分の2以上の賛成を得た後、国民投票にかけ、過半数の賛成が必要です。ですから、とてもハードルが高い。台湾に続き、世界で2番目の高さです。時代に合った憲法に改正していくためには、96条を変えないと、実際に改正できないのです。そのチャンスがいま到来しているので、これは政治家として、96条を変えることに挑戦していかなければならないと思っています。これは若干、党の見解とは違うのですが、立場を超えて発言させて頂きました。

菊池: 私は、「そもそも、今の憲法って日本人に合っているんだろうか?」と思っています。イギリスやイスラエルのように成文憲法が無い国もあります。何故こんなことを言うかというと、「遠山の金さん」では、金さんが検察官と裁判官を兼ねています。相変わらず、意識では三権分立は日本に馴染んでないんじゃないでしょうか。憲法を停止しろとは言わないですが、「そもそも憲法とは何なのか」というところから問うた方が良いのではないでしょうか。

田沼: やはり、国の伝統の中から生まれたものでないと馴染まないですよね。憲法に興味がない人は多いと思います。つまり、我々の生活と遊離してしまっているのです。だからこそ、議論をしないといけません。改正要件を3分の2から2分の1の賛成にすると、多くの可能性が生み出されます。今は改正のプロセスが大変すぎて、政治家も諦めてしまっている部分があります。そして、国民はもっと諦めている。この流れを直さないといけないので、私はやはり2分の1にすべきだと思います。

岩田: しかし、2分の1の賛成で憲法を変えていいとなると、立憲主義という機能がほとんど成立しなくなります。やはり権力の暴走は防がないといけません。

青柳: 現実的に権力は暴走しづらいですし、憲法改正を国民投票にかけるというのは、政権の命運をかけてやる一大事です。先ほども申し上げた通り国民投票で過半数取るというのは、ものすごく大変なものです。そして最終的に決めるのは国民の皆さんですから。

Q2:「今の国会は、衆議院と参議院の二院で構成されています。憲法を改正して一院制にすべきだと思うか。」

菊池: 参議院・衆議院は一つでも二つでも、はたまた元老院みたいなのが加わって、三つでも良いので、それよりも、地方議会の在り方の方が問題だと思います。ヨーロッパの自治体レベルでは、普通に働いている人が低廉な報酬で議員を兼職し、町のことを決めているところがあります。そのために、夜に議会が開かれたりしています。フランスだと、議員が市長を兼ねているケースもります。このようなことが普通に行われているのです。

田沼: 私は千葉市議会でしたので反論したいところなのですが、菊池先生のご意見に賛成です。地方議会は一生懸命に議論はしているのですが、名誉職であり、その名誉職である自民党のおじいちゃんたちは減らないんですよ。本題の国政の話に戻しますと、私は一院制にすべきだと思います。国会の中に入り、しみじみと感じますけど、国会の決定は遅い。そして、二つ院があると、衆議院と衆議院の間に、参議院の選挙が入るので、平均一年半で政権の○×を決めないといけないので、忙しい。もっと腰を据えて3年間なら3年間でしっかりと、その時の勢力の構図の中でやらないと、与党側だって仕事が出来ない。いまは面白がってみる政治になってしまっている気がします。二院制を残すんだったら、参議院を在り方を抜本的に改正すべきです。

岩田: 今のままの参議院制度を抜本的に変えないといけないのは事実ですが、2院制は残す必要があります。「議会制民主主義」の基本を分かっていない人が多いです。国民の声を直接政治に反映することを議会制民主主義だと思っているけど、そうではありません。与党と野党が議論を重ね、議論を深めていくことにより、最初の与党の出した提案が少しずつ変わっていく。ここに期待することが議会制民主主義なんです。政府の力は大きく暴走しやすいので、それを防ぐために権力のチェック機関をつくらないといけません。だから、与党だけではなく、野党が必要なんです。
ただ、二院制を、今の選挙の方法で行っているのは良くないんです。例えば、首相や、最高裁判所の長官、議長を経験した人、こういう人たちを天皇陛下の任命する形で、一代限りの貴族のような形にして、その人たちが二院制で意見を発言する。立法は出来ないが、意見の付与だけ出来るような形に変えるのも一案です。
ちなみに、皆さん、どこの選挙区にお住まいか分からないですが、例えば、京都や宮城は「二人区」と言い、参議院議員が二人受かります。そうすると、自民党と民主党とが必ず受かるんです。結果が投票する前から分かっているので、投票する気が起こりません。このような仕組みも鑑み、抜本的に変える必要がありますが、二院制の思想そのものには賛成です。

青柳: まずは時の首相が同じ時期に参議院と衆議院の選挙をすべきです。今のままの参議院の構成、今のままの役割分担だと、衆議院と参議院で同じことを2回行うだけで二院制の意味がありません。実際に一院制に出来るかどうかは、憲法を変えるしかないのですが、事実上の一院制に近づけることは政治の努力で出来ます。政権を取った総理が、同じ時期に衆議院と参議院の選挙をすれば、実際上の一院制になるので、憲法改正が難しいということなら、そういう努力をしていくべきじゃないかなと思います。

田沼: 今は衆議院が参議院を押し切ってしまっています。小泉政権の時の郵政選挙を思い出してほしいのですが、郵政民営化を否決したのは参議院です。しかし、衆議院を解散しました。否決したのは参議院なのに、解散したのは衆議院。事実上、参議院が衆議院の決定に合わせていることになるので、参議院は、実体論としてどうかなと思います。

―先生方のご意見はご尤もだと思うのですが、我々はこれから参議院選挙に投票しにいかないといけません。何のために参議院選挙に投票しにいけばいいのでしょうか。

岩田: 今回の参議院選挙は、思うに我々の人生の中で一番重要な意味を持つ選挙になる可能性がありますが、残念ながら、その意味について分かっている人はほとんどいません。自民党は放っておいても勝ちますから、放っておけば良いです。この場に、青柳先生と田沼先生のお二人がいるから言っている訳ではないですが、維新の会とみんなの党の改憲勢力を応援することによって、憲法改正が実現します。ですから、我々の一票で「憲法改正が出来るか、出来ないか」が決まる選挙なのです。これ以上、大事な選挙は殆ど予想できませんから、今回の選挙にいかないようなら、その人はもう選挙権を捨ててしまっているのと同じことですね。
最後に、日本は「議員内閣制」の国だと思っている方いらっしゃいます?これは実は正確ではないんです。衆議院と内閣の関係を見れば、議員内閣制と言えます。衆議院は、首相を選ぶことが出来る。そして、首相は国会を解散することが出来る。この二つが成立してこそ、議員内閣制と言えます。つまり、この権限がない参議院は議員内閣制ではないのです。参議院は、首相指名が衆議院と異なっても、衆議院の方で再可決されてしまう。首相を辞めさせることも、解散させることも出来ない。ところが、変なことを考えている人たちが、「問責決議」という憲法上に何の規定もないものを持ち出して、参議院で首相や大臣を攻撃しています。この問責の存在を黙認していては駄目です。これは本来の法の在り方から反しています。抜本的に変えるためには、議員内閣制の問題をどこまで考えるのかに尽きるではないかと思います。

Q3:「消費税を予定通り2014年4月に8%、2015年10月に10%まで引き上げるべきだと思うか。」

岩田: 野田さんが増税を決断したことの意義は大きかった。やはり、一つの内閣で一つの仕事をきちんと実行していく姿勢が大事です。もし消費税を上げるのに反対するのであれば、代案として、福祉の切り捨てのような政策を行う必要があります今のままでは医療や年金の問題が解決できないのに、何の対策することなしに、「ただ単に税を安くしておけ」というのは、これはポピュリズム以外の何でもありません。

田沼: 財政再建を考えないポピュリズムは最悪ですね。日本の財政状況は破滅的であり、若い人も無関係でいられません。しかし、はっきり言って、これだけ増税しても全然足りません。それよりも、出費を減らさないといけません。少子高齢化なので当然なのですが、社会保障の部分が1番膨らんでおり、毎年1兆円増えています。ここの部分が年を重ねるごとに膨らんでいくので、メスを入れなくてはいけません。例えば、生活保護は、本当に必要な人には良いのですが、本当に必要ない人も受給してしまっています。このような部分の改革を十分にやっていないのに、増税だけするのは良くない。今は逃げる政治家が多すぎるので、政治家も身を切るなどして問題に向き合わないといけません。

青柳: 三点あります。財政赤字がひどいから増税しないといけないと言いますが、財政赤字のもとは、ほとんどが「国債」です。ギリシャは外から借りているので、国として破綻するリスクがありますが、日本の場合は、国債のほとんどを日本の銀行、金融機関が所有していますので、財政赤字がひどいから破綻するのかというと、それは間違いです。二点目、欧米諸国のほとんどは、消費税が15%以上なので、比べた場合、「日本は5%だから、まだ引き上げる余地があります」と言われていますが、これも全く間違いです。日本の税金は、特にサラリーマンの方は給与から天引きされおり、所得税、地方税、社会保険料の全てを合わせたら、負担率は20%ぐらいになります。欧米とは税制が違うのです。消費税だけ低いから上げましょうというのは全く間違いです。三点目は、増税しても財政赤字を埋めることにはならないという点です。1997年に、3%のから5%に増税しました。この時の税収はざっと54兆円程。今、税収は40兆円しかありません。つまり、増税しても税収は上がらないのです。税収を上げるためには、経済を活性化することこそが王道です。増税したら、経済は必ず落ち込み、不景気になるんです。これを間違ってはいけません。

岩田: 先ほど青柳先生が言われた「国内から借りているから大丈夫なんだ」という議論は良く耳にしますが、しかし、借金は借金なので、返さないといけないのではないですか。

青柳: まずは経済を活性化させることが重要なので、返すことを優先するのではなく、先送りしていけばいいのです。増税のタイミング、増税の前にやるべき改革をきちんと行うことが必要です。

岩田: そうすると、貸した側が一方的に損ですよね。

菊池: 来年4月に消費税を8%にしないと国際的な信用が得られないと言われていますが、日本の国債は、内国民が持っている割合が高いので、起こり得ることとしては、国債の格付けが下がること。そして、国債がスムーズに消化できるのかという点です。私は、将来的に消費税はヨーロッパのように20%ぐらいにはならざるをえないだろうなと思っています。それで、法人税を下げて、外からの投資を優遇するということなのだと思いますけど、今はデフレが15年続き、不良債権処理が終わってから、7年ぐらいしか経っていません。これから、ようやく経済が上手く回ろうとしている時に、「本当に税金を上げて大丈夫か」という懸念はあります。もちろん政府は、1997年に増税した経験をもとに、きちんと様々な対策を行うと思いますが、今、上手くいきつつあるアベノミクスが腰折れになるのではないかという懸念はぬぐえませんね。

青柳: これだけ金融緩和を行ったのに、一方で、また借金を増やして、消費税を上げたら、暖房と冷房を一緒にかけているようなものです。今この局面は経済に注力するべきだと思います。アベノミクスの金融の量的緩和と財政対策は、景気回復のカンフル剤ですよね。しかし、せっかく打ったのに、真逆のことをやっていては、このカンフル剤の意味がなくなってしまいます。

Q4:「教育委員会は廃止すべきだと思うか。」

田沼: 一言で言えば、教育委員会制度は、硬直していて、機能していません。「教育委員会」とは、狭い定義で表すと、5~6人の人たちを指します。その下に事務方がいるのです。その5人の人たちは名誉職なので、月に1~2回来て、事務方が出すものの承認をするだけで、まるで機能していません。何も管理していないのだから、いじめや体罰の問題も起きるに決まっています。もっと言いますと、教育委員会の事務方が組合と完全に一体化しています。組合の幹部でないと、教育員会では出世が出来ないのです。加えて、問題なのは、教育委員会に、上司がいないことです。上司がいないから、まともな対策が打たれない。市長が教育委員に「おかしいじゃないか」と言えない。市長には予算の権限しかなくて、実際の実行の権限は教育委員にあります。責任がはっきりしていない。だから、廃止までしないとだめなんです。

岩田: 私は教育員会こそ、選挙で選ぶべきだと思います。責任の所在が本当にはっきりしていない。誰が地元の教育委員長なのかを知っている人は少ないと思います。自分の住んでいる地域の教育の最高責任者が誰かのか、全く分からないまま教育が行われている訳です。教育については、何も手をつけないことが良いこととされ、放置され続けてきていますが、教育委員会制度の改革は、「政治の力で教育も変えられる」ことを示す上でも、大事な政策だと思います。

菊池: 行政組織上、そもそも、教育に対して「委員会制」を引く必要があるのでしょうか。公正取引委員会や国家公安委員会のように、主に取り締まる役割を担うのであれば委員会制でも良いのですが、教育行政はそうではありません。行政組織の設計として委員会制度に違和感を覚えます。例えばニューヨークの郊外では、子供の教育環境によって町を選ぶ傾向があります。教育環境が良いところは、小学校の先生も高所得で、その分、税金も高くなります。しかし、「税金が高くても、子供に良い教育を受けさせたい」と地域の選別がされるように、教育こそ、自治体のアイデンティティが一番出るところなので、責任の所在や主体を曖昧にしてはいけないと思います。

青柳: 日本の最大の資源は人ですよね。「人づくりが国づくりだ」ということは、安倍総理も今年の施政方針演説で明確に述べているのですが、実際のところ、GDP比に占める教育予算の割合は、先進国の中で最低レベルです。GDP比に占める割合で一番大きいのは、公共事業費。これは先進国の中で最大です。つまり、言っていることと、やっていることが全く違うので、ここを変えていかなければいけません。

岩田: 私も大学の教員になって分かったのですが、本当にお金がなくて大学を辞める学生がいるのです。優秀な学生が資金面で折り合いがつかず大学を卒業出来ないことは、日本にとって大きな損失だと思います。そして、この教育委員会のシステムも、GHQが日本に導入したものなのです。日本の問題のほとんどは占領期の問題であり、それをずっと引きずったままで、誰も指摘しない。日本の歴史学者は皆、1945年以前のことしか研究しません。1946年より後のことを指摘すると、私みたいに右翼扱いされ、辛い思いをしなきゃいけないことになるからです。

田沼: 私も保守ですが、保守というのは、国が好きなのです。日本をいい国だと思っています。日本がいかに苦労してここまで来たかというのを若い人に知ってもらいたい。今の日本の平和と繁栄は、ただで出来た訳ではありません。どれだけ苦労してここまで来たのかを知るには、やはり歴史を勉強する必要があるのです。戦後、日本が戦争で悪いことをしたことを教育で伝えるために、「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」というものが引かれましたが、それがそのまま続いています。日本人が日本を嫌いになるようなプログラムが動いてしまっているのです。このことをきちんと伝える歴史教育になってもらいたいのだけど、硬直化した教育委員会が阻止します。だから、教育委員会を改革しなければならない、というのが私の原点となる思いです。

岩田: 高校の日本史では、「日本がなぜ戦争をしたのか」を教えないので、日本を嫌いになりますよね。私は『だから、日本人は「戦争」を選んだ』という本の中で書きましたが、当時、日本側がどういう主張をしていたのかというのを教えずに、一方的に糾弾するのは異常なことです。この歴史教育を根本から変えないことには、日本という国は良くならないと思います。

田沼: アサヒビールの名誉顧問の中條高徳さんが書かれている、『おじいちゃん戦争のことを教えて』という本がお勧めです。中條さんが、本当のお孫さんからの「どうして日本は戦争したのか」という質問に対して、回答していく内容なのですが、とても分かりやすいです。日本人がこれから世界で挑戦していくためには、日本が何で戦争をしたのかぐらいは知らないと。「授業で教えてもらっていません」では話になりません。

岩田: 日本人が戦争を選んだ理由は、まず「独立自尊を守りたかった」という点です。当時、世界中は植民地だらけでした。日本は植民地になりたくないという思いがあったから、近代化を成し遂げたのです。しかし、近代化を遂げても、日本人に対する人種差別は終わりませんでした。この人種差別に対する正当な怒りが戦争の一つの原因になっています。日本が戦争を開始したとき、太宰治や多くの有識者が戦争を歓迎したという事実から目を背けてはいけません。日本には日本側の理屈があって、戦争を開始したからこそ、多くの国民が戦争を支持したのです。日本側の理屈を一切無視するような歴史教育は異常だといわざるをえません。

Q5:「参院選からネット選挙運動が解禁されていますが、そもそも公職選挙法は必要だと思うか。」

田沼: 公職選挙法は必要です。公職選挙法の本質は、お金持ちに有利にならないようするにということなのです。だから、どの候補者も、配布出来るものは28万枚までで、全てにシールを張りましょう等と細かいのですが、公平な選挙という意味では必要なルールです。

菊池: アメリカ大統領選挙は、莫大なお金がかかっていますが、かかる費用を支える、寄付をする文化があります。日本もこういう文化があってもいいのではないかと思います。いずれにしても、今の公職選挙法は微に入り細に入り、細かすぎて、兎にも角にもナンセンスです。

岩田: 確かに細かすぎるのは問題だと思いますが、公職選挙法は必要です。ただ、ネット選挙運動だって、これだって、お金持ちが有利なシステムなんです。ネット上の活動にどれだけ資金をつぎ込むことが出来ることによって、随分左右されますよね。

菊池: アメリカ大統領選挙のように選挙で候補者に金がたくさんかかると、有権者は困るんですかね。

岩田: 日本ぐらい選挙がフェアに行われている国は少ないです。だから、公職選挙法に関しては、抜本的な改正よりも、漸進的な改善ぐらいでいいのではないかと思います。

―現役議員から見て、ネット選挙運動にはポジティブですか?ネガティブですか?

青柳: 維新の会とみんなの党はネット選挙運動解禁を推進した両党ですから、解禁になって良かったと思っています。何が良かったかというと、20代や30代前半の若い方に、少しでも政治に関心を持ってもらい、投票率が上がるのではないかという期待が持てる仕組みだからです。加えて、電子投票までいけば、政治は劇的に変わると思います。

田沼: ネット選挙運動解禁により、若い人にアプローチできるリーチが広がり、若い人が情報を得て判断しやすくなったのは、とても良いことだと思います。20代の人は投票率20%、30代の人は30%、50代の人は50%と年齢と投票率は完全に比例しています。若い人たちはほとんど投票に行きませんが、若者じゃないと出来ないことがあったり、若者じゃないと思わないテーマがあるのですが、投票に行ってもらわない分には、それを反映する政策が出てこないのです。歴史を振り返ると、歴史を変えてきたのは、若い人たちです。若者が立ち上がり、そして、さらに大きなムーブメントが起きてくると良いと思っています。

菊池: この2年間程、自分が属する研究室で、公示日より前に、実際にTwitterやFacebook使い、トライしてみたのですが、地縁・血縁が強い地方選挙はほとんど影響がないです。地方の小規模な選挙よりも恐らく、一人の人を大多数で選ぶという選挙に馴染むのではないかなと思います。また、都会の選挙だとネットは有効ですが、地方はなかなか辛いなというのが試行錯誤した結果の印象ですね。

青柳: 政治家になろうと思い、選挙に立候補した以上、基本は街頭に出て、自分の熱い思いを有権者一人ひとりに訴えかける。これが出来ないと私はだめだと思います。ネット選挙は大事ですが、実際に、リアルの生身の候補者が何を言っているのか、どういう思いを持っているのかを、最後は判断基準にしてもらいたいなと思います。

菊池: 街頭には3回ぐらいしか立たないで、企業・団体・組合まわりしかしない政治家もいっぱいいますよね。

田沼: 結局、政策で選ぶのか、見たことがあるからの人軸で選ぶのか。その辺の違いですよね。会ってみて、政策や日本への思いがどれだけあるのか、というところで選ぶ人が増えていかないと、政治は正常化しません。

岩田: しかし、政策で投票する人を選ぶなんて、ごく一部の優秀な人です。顔を見たことがあるから投票しよう、美人だから投票しよう等、大衆社会には色々くだらない理由がある訳です。単に理念ばかり言って、落ちている政治家よりも、大衆社会の本質を掴んだ上で当選した政治家が、少しでも日本を変えないと、日本はよくならない。だから、政治家には、大衆社会の本質を見抜くことも大切なことなのです。

以上が、チームでの対抗戦の様子でした。この中から、勝ち上がった3チームの代表者が、ゲストの先生方と対戦できる「エキシビジョン・マッチ」に進みました。エキシビジョン・マッチもこれまでと同様のルールで、YES・NOのマジョリティを当てた方に得点が入ります。

以下、エキシビジョン・マッチの問いの一覧と、答えです。先ほどまでのチーム対抗戦から、さらに踏み込んだ問いの内容となっています。

 

先生方のトークの内容は割愛させて頂きますが、このように、参加者とゲストが同じ場に並び、政治に関するディスカッションを行いました。また、各問いの間には、会場からの質疑も受け付け、会場全体で問いを考える場となりました。参加してくださった皆さん、会場を貸してくださったBLOGOS編集部の皆さん、そして、ご登壇頂きましたゲストの先生方、本当にありがとうございました!参加された皆さんにとって、政治への関心を持つきっかけとなっていれば嬉しいです。