登壇者

[パネラー]

伊藤ふみお氏 ミュージシャン(KEMURI)

菊池尚人氏  慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 特任准教授

佐別当隆志氏 株式会社ガイアックス コーポレートコミュニケーション推進部部長

[ファシリテーター]

青柳陽一郎氏 みんなの党 衆議院議員

パネルディスカッション内容

-最近の音楽シーンの変化についてどう思っていますか?

伊藤:僕が音楽を聴き始めたきっかけは「不満」があったから。そこにリンクしたのがロックだった。僕と同じような人は昔と変わらずたくさんいると思う。今と昔で違うのは、CDショップの数。昔はCISCOとか、HMVとか、CDショップに行くと怪しい人が多くてね、「自分はこういうところに来てるのかぁ。」と客観視できたし、何よりそこでのリアリティがあった。そういう場が物理的になくなってきているし、環境の変化が一番大きいんじゃないかな。

―音楽の楽しみ方が変わってきているということですか?

佐別当:僕は30半ばですが、僕ら世代まではCD買ってました。ただ、その後は、携帯でダウンロードできるようになったり、いまはYoutubeで聞くとか、自分のPCにダウンロードしたりすることが普通になっていて、音楽への触れ方が変わってきている。Facebookなどを使い、誰がどんな音楽を聞いているかをシェアできる。そういうシェア文化が出来てきているのも大きいです。

―音楽を無料で聴くのが当たり前になってきているが、ミュージシャンとしてはやはり有料で楽しんでもらいたいですか。

伊藤:そうですね。昔は、自分でお金払ってCD買ってね、当たりとはずれがあった。海外のものを買ったら「これ、なんだよ~」というものもあって(笑)、でも、その経験を積み重ねることで自分の中にパイルアップされている。無料だと、そういう風になるかな?

佐別当:お金の払い方が変わってきているのを感じています。ある意味、自慢するために買っているようなもので。お金を払い、友人や周囲にシェアする権利を買い、音楽を伝えるために聴いている。

―最近では、伊藤ふみおさんもソーシャルメディアを使い始めたようですが、どうですか?

伊藤:もともとソーシャルメディアは完全否定派だったんだけど、FacebookとTwitterを始めました。これがね・・・面白くて、はまってますね。9月のAIR JAMでKEMURIが復活するのですが、その復活を発表した時には、30時間以上、Twitterのトレンドワードになったり、ブログで発表したコメントがヤフーのトップニュースになったり。ソーシャルメディアを使っての広がりのすごさを実感しました。

―日本のコンテンツの海外展開が遅れていると言われる理由はなんでしょうか。

菊池:役所の人間がすぐに交代するからですね。大体2~3年。10年ぐらいは専門的にやってもらわないと。もちろん、これだけの理由ではありませんが。

伊藤:あの、いいですか。そもそも、自分のつくった音楽を「コンテンツ」と言われるというのはちょっと心外ですね。作り手にとっては宝物ですから。決してコンテンツではないです。

佐別当:僕思うんですけど、クールジャパンってネーミング自体がクールじゃない。おたくと言われている人からしたら、クール?って引っかかると思うんです。もしも、役所じゃなくてニコニコ動画が主体でやってくれればもっと盛り上がる気がする。

―著作権についてお聞きしたいです。作り手からすると守られてしかるべきだけど、ユーザー目線だと解放すべきですよね。

菊池:著作権というのは、二言で言うと、「ぱくるな」「勝手につかうな」。ただ、二次創作してもカッコイイな、面白いな、とか、作り手に対してのリスペクトがあればひどいことにはならないでしょう。また、コンテンツの価格って、指値みたいなもので、「君は100円。君なら2000円で。」ってな感じで。でも、インターネットによって、そのコントロール出来なくなってきてマネジメント側にはやりづらさがある。ブランドの露出コントロールに近いです。

―著作権は死後50年まで続きますが、これは長いですか?短いですか?

菊池:なぜ死後50年も続くかというと、ディズニーが強いからなんです。著作権は歴史的にはビジネス法。イギリスではエリザベス女王の頃にだいたい定まりました。アメリカでも、だんだん守られる期間が延びていって、なぜかというと、ディズニーをはじめとする産業側の力が強かったから。今後、何がクリエイター、ユーザー、社会にとって最適化が見極めていかないといけない。

伊藤:作り手から言わせてもらうと、50年じゃ足りないですね。

佐別当:著作権という概念が作られた時には、個人がメディアになること、クリエイターになったり、双方向にネットでコミュニケーションとれるなんてことを想定していなかったのではと思っています。いまの時代のユーザーはインターネットを使い、柔軟に進化してきている。一方で、政治や国の在り方はこの進化についてこれていない。
だからこそ、ネット選挙解禁運動に向けた「One Voice」というキャンペーンを僕は始め、若い人を中心に、ソーシャルメディア上で何万という応援を集めることができているものの、実際の声は政治がなかなか反映してくれない。

―最後に、いまの政治の望むことをお一言ずつ。

伊藤:いまの政治には夢がない。どういう日本になりたいのかもっと大きく見せてほしい。何を応援していいのか分からない。音楽も同じなんだけど、いろんなしがらみがあると思うけど、でもその中で誠実にやっていってほしいです。

菊池:とにかく、明るくしてほしいですね。何でも規制すればいいものではない。

佐別当:こういう場が開かれたこと自体がいいなと思ってます。政治って遠いように感じるんだけど、もっと身近なところで、いろんな人とまざりあって、カジュアルなタウンミーティングが広がっていけばいいですよね。

―政治こそが最大のソーシャル活動ですから。みなさん、政治に関心を持っていただきたい。これが最後にお伝えしたかった最大のテーマです。

ここからは、会場からの質問と意見にお答え頂きました。その中で一つだけ紹介します。

Q:「政治を通して世の中が変わらない気がするのはなぜなのか?」

佐別当:僕ら自身に、社会を変えたという成功体験がない。周りにも成功体験を持っている人がいないので、どうすればいいのか分からない。あとは、「手触り感」がないですよね。大きなシステムになりすぎていて、この法律をどう変えたらいいのかと誰に聞けばいいのか分からない。

菊池:革命が起きるのは、国民の約半分が20歳以下の場合だと言われています。日本は年をとりすぎたし、若い人が政治に関心がない。政治家はサプライサイドなので、お客さんである国民が動けば動くんです。

伊藤:僕はね、政治に関わらず、誰かに期待するとがっかりする。なので、自分に期待した方がいい。そういうスタンス。

―例えば、大阪は明らかに変わりました。大阪府はもともと財政赤字。しかし3年で脱却した。なぜ出来たかというと政治が変わったから。選挙で政治が変われば、政治が動く。だから、投票にいってください。若い人が関心をもたないと、政治のいびつさは変わらないんです。

今後もMy Policy Labでは、継続して、政治をもっと身近に感じ、考えられる場をつくっていきます。次回以降のテーマとして、取り上げてほしい!というご意見やアイディアがございましたら、どしどしご連絡ください。どうぞ引き続き宜しくお願いいたします!